電子タバコの規制強化は喫煙率上昇につながる?

フレーバー付き製品の販売禁止やニコチン含有量を減らすなどで電子タバコの規制を強化すると、紙巻きタバコに移行する人が増えてしまう可能性が高いことが、米デューク大学医学部のLauren Pacek氏らの研究で示された。同氏は「ニコチン含有量を減らすなどの規制が強化されると、電子タバコの使用量が減る一方で、結果的に紙巻きタバコの使用量の増加につながりかねない」と主張している。研究結果の詳細は「Substance Use & Misuse」7月15日オンライン版に掲載された。

米食品医薬品局(FDA)は、ティーンエージャーの間で電子タバコの使用が急増したことを受け、若者が電子タバコを魅力的と感じにくくなるような対策を講じてきた。米国立衛生研究所(NIH)の助成を受けた今回の研究で、Pacek氏らは、電子タバコと一般的な紙巻きたばこの両製品を使用する18~29歳の男女240人を対象に、オンライン調査を実施した。

調査では、今後、フレーバー付き電子タバコ製品の販売が制限されたり、電子タバコにニコチンが含まれなくなったり、あるいは電子タバコ機器のニコチン含有量や蒸気の温度を調整するカスタマイズ機能がなくなったりした場合に、どのように対処するつもりであるかを尋ねた。

その結果、電子タバコにニコチンが含まれなくなると、47%が「電子タバコの使用量を減らし、紙巻きたばこの使用量を増やす」と回答していた。また、電子タバコのカスタマイズ機能が利用できなくなった場合には22%が、フレーバー付き電子タバコの販売が、タバコとメンソールのフレーバーに限定された場合には約17%が、同様の回答を寄せていた。

なお、Pacek氏によれば、FDAは現在、紙巻きたばこのニコチン含有量を大きく減らす方向で検討している。FDAの権限を越えるため、紙巻きタバコから完全にニコチンをなくすことはできないが、相当な本数を吸ってもニコチンを渇望する禁断症状を抑えられない程度までニコチン含有量は減らされる可能性があるという。同氏は「紙巻きタバコと電子タバコの両方でニコチン含有量が減らされることになれば、多くの人は別の手段を探すようになることも考えられる」としている。

一方、今回の研究には関与していない専門家の一人で、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)タバコ管理研究・教育センター長のStanton Glantz氏は、「電子タバコからフレーバーやニコチンをなくすことで、その使用量が減るのは良いことだ」とコメント。また、今回の研究は小規模で、調査の質問も仮定に基づいている点を指摘し、「これらの結果だけで、確実に紙巻きタバコの使用が増えるとは予測できない」としている。

さらに、Glantz氏は「特にフレーバーが付いていると、子どもを惹きつける可能性が高い」と指摘した上で、電子タバコと紙巻きタバコの両方でフレーバー付き製品の販売が禁止されれば、いずれの使用量も減るのではとの見方を示す。これまでの研究からも、紙巻きタバコのニコチン含有量を減らすと、喫煙本数を増やすよりも禁煙する人の方が多い傾向がみられることが報告されているという。

なお、カリフォルニア州サンフランシスコ市では最近、電子タバコの販売を禁止する条例案が可決された。Glantz氏は、このような規制の導入によって、タバコ製品全般の使用をやめる人が増えるのではないかと期待を示している。(HealthDay News 2019年7月16日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/electronic-cigarettes-970/tough-rules-on-e-cigs-might-push-folks-back-to-smoking-748364.html

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