心疾患、若年成人では減少が認められず

冠動脈疾患は過去20年にわたり減少傾向にあるが、若年成人では冠動脈疾患の罹患率が減少していないことが、新たな研究により示された。研究を行ったブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のLiam Brunham氏らは、肥満、糖尿病、高血圧の若年成人が増えていることが原因ではないかとしている。研究の詳細は、「Journal of the American Heart Association」7月8日オンライン版に掲載された。

Brunham氏らは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州の心疾患レジストリーを用いて、2000~2016年に冠動脈疾患の症状が初めて認められた若年成人患者1万2,519人のデータを解析。早発性冠動脈疾患の罹患率の推移やリスク因子について検討を行った。なお、患者は男性が50歳未満、女性が55歳未満で、全体の30%が女性だった。

その結果、若年成人では冠動脈疾患の罹患率が減少していないことが判明。また、心血管疾患のリスク因子を1つ以上持つ患者は全体の92%、複数の因子を持つのは全体の67%に上ることが分かった。心血管疾患の主要なリスク因子である肥満、糖尿病、高血圧の有病率は、研究期間を通じて男女双方において上昇していたが、男性に比べ女性でより高いことも示された。

一方、冠動脈疾患による死亡率は、2000~2007年には31%低下したものの、その後の9年間は変化が認められなかった。死亡率は、男性に比べ45歳未満の女性で有意に高かった。心血管疾患による死亡率の推移については、米疾病対策センター(CDC)も、2019年5月に発表した報告書で同様の結果を報告している。CDCによると、米国の45~64歳の心疾患による死亡率は1999~2011年には22%減少したが、2011~2017年で4%増加したという。

こうした結果を受けBrunham氏は、「教育や診断、治療の向上により、全体的には心疾患患者の数が有意に減少しているのに、若年成人では減少していないことは驚くべき結果だ」と述べ、若年成人において心疾患による死亡率に改善がみられないのは、肥満や糖尿病、高血圧といった心疾患のリスク因子を持つ人が増えていることと関連している可能性を示唆している。

一方、共著者の一人であるSimon Pimstone氏は、45歳未満の女性の死亡率が有意に高いことに着目し、「この研究からの重要なメッセージの1つは、若年時に冠動脈疾患を発症した女性には、積極的な治療が必要だということだ」と話す。そして、冠動脈疾患の女性は男性と異なる症状を呈することが多いことを指摘し、診断力向上のために女性の冠動脈疾患に関して理解を深めることが必要だとしている。

今回の研究と同様な研究結果は、2018年11月に「Circulation」に掲載された研究においても報告されていた。この研究では、女性における心筋梗塞の増加が示されている。研究の筆頭著者である米ノースカロライナ大学のSameer Arora氏は、米国とカナダでは心疾患予防対策が異なっており、2つの研究を比べるのは難しいとしつつも、「今回の研究結果は、若年成人の心疾患に対してより良い対策を医師および研究者が講じなければならないとする考えを裏づけるものだ」との見方を示している。(AHA News 2019年7月8日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/misc-stroke-related-heart-news-360/aha-news-surprising-lack-of-progress-on-heart-disease-in-younger-adults-748126.html

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