「急性弛緩性脊髄炎」の流行シーズン目前、米CDCが注意喚起

急性弛緩性脊髄炎(acute flaccid myelitis;AFM)と呼ばれるポリオに似た疾患の“流行シーズン”を目前に控え、米疾病対策センター(CDC)が全米の医師に注意を喚起している。CDCが発行する「Morbidity and Mortality Weekly Report」7月12日号に発表された報告書によると、米国では2018年、41州で233人がAFMに罹患し、史上最悪の罹患者数を記録した。CDCによれば、AFM症例の報告は8月から10月に急増するため、今から警戒しておく必要があるという。

CDC副長官のAnne Schuchat氏は7月9日に開かれた記者説明会で、「医師の役割は重要だ。AFM症状のある患者を早期に発見し、迅速に検体を採取して、AFMの疑い例として保健当局に報告してほしい」と呼び掛けた。その上で、「AFM発症後の迅速な検体の採取が、発症原因や流行を繰り返す要因の解明のほか、診断検査法の開発にもつながる」と説明した。

AFMはまれだが脊髄が侵される重篤な疾患で、筋力の低下や深部腱反射の減弱がみられる。主な症状は腕や脚に現れ、手足に重度の脱力を引き起こすだけでなく、呼吸器系の筋力低下により呼吸機能が低下する危険性もある。CDCによると、2018年に報告されたAFM患者の4人中1人は呼吸の補助を必要とし、その多くで人工呼吸器が使用された。なお、同年のAFM患者の平均年齢は5歳だった。

AFMを発症した患者の半数以上は、いまだ回復していないが、科学的に有効性が証明された治療法や予防法は今のところないという。

CDCは2014年、AFM患者の報告が急増したことを受け、サーベイランスを開始。その後、AFMは2016年、2018年と1年おきに流行を繰り返している。2016年の報告数は149人で、2014年以降、48州から計570人の新規発症例が報告されているという。

ただし、Schuchat氏は「調査は2014年に開始されたばかりであるため、隔年の流行パターンが今後も長期的に続くとは限らない」と指摘し、「医師や子どもの保護者には、今年もAFMが流行する可能性があることを知っておいてほしい」と話している。

なお、AFMの原因は解明されていないが、ウイルスが関与している可能性があると専門家らはみている。2018年に報告された患者の10人中9人は、手足の脱力に先行して、ウイルス感染時と同様の呼吸器症状や発熱がみられたという。また、CDCは、2018年の流行時に収集した呼吸器由来や便の検体のほぼ半数からエンテロウイルスとライノウイルスが検出されたことを明らかにしている。これらを踏まえ、CDCは、医師に対して四肢の脱力の初期徴候に注意を払い、患者からさまざまな検体を収集するよう強く求めている。(HealthDay News 2019年7月9日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/muscle-problem-health-news-488/cdc-warns-of-start-to-season-for-mysterious-paralyzing-illness-in-kids-748155.html

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