ダンス音楽フェスのストロボ光がてんかん発作の原因に

エレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)フェスティバルの会場で、ある20歳の若者が初めててんかん発作を起こして意識を失った―。こんな症例はまれではないとする研究結果を、アムステルダム自由大学医療センター(オランダ)のNewel Salet氏らが「BMJ Open」6月11日オンライン版に発表した。強いストロボライトを発する夜間のEDMフェスに参加した観客では、日中のフェスに参加した観客に比べて、ストロボの光が原因でてんかんを引き起こす危険性が3.5倍に上ることが分かったという。
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末梢動脈疾患の症状緩和に「温浴」が有用か

手足の血管に動脈硬化が起こり、血管の狭窄や閉塞を引き起こして血流が悪くなる末梢動脈疾患(PAD)の重要な治療法の一つに運動療法がある。今回、オタゴ大学(ニュージーランド)のAshley Akerman氏らが実施した小規模研究で、20~30分程度の温浴後に軽い運動を行うだけでも、より長時間の運動療法と同程度の症状軽減効果が得られることが分かった。ただ、この結果について、一部の専門家からは慎重な解釈を求める声も上がっている。研究の詳細は「American Journal of Physiology – Heart and Circulatory Physiology」6月1日号に掲載された。
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「ワルファリン服用者は緑色野菜に注意」に反論、カナダでRCT

抗凝固薬のワルファリンを処方されている患者は、医師からビタミンKの摂取を控えるようにと指導されることが多い。しかし、モントリオール大学(カナダ)栄養学教授のGuylaine Ferland氏らが実施したランダム化比較試験(RCT)で、ワルファリンを服用していても、ビタミンKを豊富に含む緑色野菜は問題なく食べられることが分かった。むしろ1日のビタミンK摂取量を増やすことは、ワルファリンの効果を安定させるのに有益である可能性が示されたという。研究の詳細は、米国栄養学会(ASN、6月8~11日、米ボルチモア)で発表された。
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世界中の河川で抗菌薬汚染の恐れ、英大学調査

世界各地の河川では、抗菌薬による汚染が深刻化していることが、ヨーク大学環境科学教授のAlistair Boxall氏らの調査で明らかになった。環境安全基準の300倍に上る濃度の抗菌薬が検出された河川もあったという。同氏は、世界中の河川で抗菌薬による汚染が深刻化していることを実証した今回の調査結果は「驚きと同時に懸念を与えるものだ」とし、不適切な抗菌薬使用に警鐘を鳴らしている。研究結果は、環境毒性化学会(SETAC、5月26~30日、フィンランド・ヘルシンキ)で発表された。
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婚姻状況が心疾患による死亡リスクに影響か、英国の大規模研究

性別や婚姻状況の違いが心疾患による死亡リスクに影響する可能性があることが、英アストン大学医学部のRahul Potluri氏らが実施した大規模研究で示された。この研究では、妻と死別または離婚して独身になった男性は、夫と死別または離婚した女性と比べて心疾患により死亡するリスクが有意に高いことが示された。ただし、独身の男性は、独身の女性と比べて心不全を発症した後の生存率が高かった。これらの結果は、英国心臓血管学会(BCS 2019、6月3~5日、英マンチェスター)で発表された。
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「食品の選び方」「食べる順番」が2型糖尿病リスクに影響

「食品の選び方」と「食べる順番」が2型糖尿病の発症リスクに影響することを示した3件の研究結果が、米国栄養学会(ASN、6月8~11日、米ボルチモア)で発表された。これらの研究では、植物性食品を中心とした食事に改善したり、ビタミンB2やビタミンB6を多く摂取したりすると2型糖尿病リスクが低減したほか、「食べる順番」も同リスクに影響する可能性が示された。野菜を最初に食べると、食後血糖値の上昇だけでなく、食欲増進ホルモンの分泌も抑えられることが分かったという。
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「PPI長期使用で死亡リスク増」に新たな報告、米研究

胸やけの治療に広く用いられるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を長期にわたり使用すると、心血管疾患や慢性腎臓病(CKD)、上部消化器がんによる超過死亡リスクが高まる可能性があることが、米ワシントン大学セントルイス校のZiyad Al-Aly氏らの研究で示された。研究の詳細は「BMJ」5月30日オンライン版に掲載された。
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起床前後の交感神経活性の変動が24時間血糖変動と関連か 日本人2型糖尿病患者を解析、愛媛大グループ

日本人の2型糖尿病患者では、起床前後の交感神経活性の変動が24時間の血糖変動と関連している可能性があることが、愛媛大学大学院糖尿病内科学講座の松下由美氏らの研究グループの検討で分かった。これらの変動の増大は、糖尿病患者における心血管イベント発症の一因である可能性が考えられるという。研究の詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」6月号に掲載された。
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1型糖尿病は幼少期からの脳の発達に影響する可能性

幼少期に1型糖尿病と診断された小児では、1型糖尿病のない小児に比べて、軽度認知障害に関連する脳内部位の発達に遅れがみられることが、米ネマーズ小児ヘルスシステムのNelly Mauras氏らの研究で示された。このような脳の発達遅延は不十分な血糖コントロールと関連することも分かったという。研究の詳細は、米国糖尿病学会(ADA 2019、6月7~11日、米サンフランシスコ)で発表された。
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中年期2型糖尿病で高齢期の脳梗塞リスク増

中年期に2型糖尿病がある人は、高齢期に脳梗塞を発症するリスクが高まる可能性があることが、天津医科大学(中国)のRongrong Yang氏らがスウェーデンの双子を対象に実施した症例対照研究から明らかになった。40~50歳代の時点で2型糖尿病だった人は、60歳以降の高齢期に脳梗塞や脳動脈閉塞症を発症するリスクが高まることが示されたという。研究の詳細は「Diabetologia」6月5日オンライン版に掲載された。
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