自然の中で週に数時間過ごすと健康に有益?

週に数時間ほど自然の中で過ごすだけで、心も身体も健康になる可能性があることが、英エクセター大学のMathew White氏らによる研究で明らかになった。約2万人の英国成人を対象にした調査で、自然の中で週に2~3時間過ごす人は、全く屋外で過ごさない人と比べて健康だったり幸福を感じたりする確率が高いことが分かった。研究の詳細は「Scientific Report」6月13日オンライン版に掲載された。

この研究は、国が行った調査に参加した英国成人1万9,806人を対象としたもの。参加者には全般的な健康状態と生活の満足度(ウェルビーング;身体的、精神的および社会的に良好な状態)のほか、過去1週間に森林や海岸、街中の緑地などの屋外で過ごした時間について尋ねた。さらに、さまざまな因子を考慮するため、外出を妨げるような健康上の問題や運動習慣以外にも年齢や職業、婚姻状態、貧困率や犯罪率といった居住地域の特徴についても調べた。

その結果、自然の中で週に2~3時間過ごしていた人は、82%が「健康状態が良好」と回答し、65%が「精神的な幸福度が高い」と答えていたのに対し、全く自然に触れていなかった人では、それぞれの割合は68%、56%と低かった。また、高齢者や健康に問題を抱えている人でも、屋外で週に2時間以上過ごす人は自身のウェルビーングを高く評価していた。

White氏によれば、必ずしも山歩きをしたり遠出をしたりする必要はないようだ。参加者の多くは、自宅から約3km以内にある公園や緑地などで自然を楽しんでいたという。「場所はどこでもよく、一度に2時間でなくてもよい」と同氏はいう。

この研究には関与していない米ワシントン大学のKathleen Wolf氏も、「“自然と触れ合う”と言えば国立公園などに出かけることを連想する人も多いが、時間やお金をかける必要はなく、自宅近くの公園で十分だ」と述べている。

また、Wolf氏によれば、この研究は、単に「屋外で過ごそう」というだけではなく、具体的に過ごすべき時間を明らかにしている点が興味深いという。これまでにも多くの研究から、自然に触れることは心身の健康に有益なことが示されている。例えば、2018年には140件の研究をレビューした論文で、日常的に屋外で過ごしたり、自宅周辺に緑地が多かったりする人では、血圧や心拍数、「ストレスホルモン」であるコルチゾールの血中濃度が低いことに加えて、睡眠時間が長く、2型糖尿病や心疾患になりにくいことが示されている。

自然と触れ合うことが健康に有益であることのメカニズムは明らかになっていないが、「このエビデンスには説得力があり、地域の住環境を整備する際には、緑地化を進めるべきだ」とWolf氏は主張する。また、同氏は「地域住民の誰もが公園や緑地を利用できるように配慮することも大切だ」と付け加えている。(HealthDay News 2019年6月13日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/psychology-and-mental-health-news-566/2-hours-week-in-nature-your-prescription-for-better-health-747391.html

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