妊娠中のインフル罹患は新生児の健康に悪影響

妊娠中の女性は、自分自身だけでなく胎児のためにもインフルエンザの予防接種を受ける方がよい―。こんな研究結果を、米疾病対策センター(CDC)傘下の国立出生異常・発達障害センター(NCBDDD)のKim Newsome氏らが「Birth Defects Research」1月9日オンライン版に発表した。この研究では、妊婦がインフルエンザに罹患すると重症化しやすい以外にも、早産や低出生体重児などのリスクが高まることが示された。

Newsome氏は「この結果は、妊婦はインフルエンザのワクチンを接種する必要があり、もしインフルエンザに罹患した場合は、迅速かつ適切な治療を行う重要性を裏付けるものだ」と述べている。

CDCは、生後6カ月を迎えたら全員がインフルエンザの予防接種を毎年受けることを推奨している。特に、妊婦や乳幼児、高齢者、慢性疾患のある患者は合併症リスクが高く、ワクチン接種が重要となる。妊娠中は免疫系や心臓、肺などに変化が生じるため、妊娠中と産後2週間はインフルエンザに罹ると重症化しやすいとされる。CDCによると、米国では、今シーズン(2018/19)はA型のH1N1とH3N2が流行しているが、今年のワクチンはいずれの株にも有効性が高いと考えられ、今から接種しても遅くはないという。

今回の研究では、2009年4月~12月に、5つの州でインフルエンザに感染した妊婦490人と感染しなかった妊婦1,451人、妊娠の前年にインフルエンザに感染しなかった妊婦1,446人のデータを調査した。なお、2009年はH1N1新型インフルエンザが大流行し、全米で6000万人が罹患し、40万人が入院、1万8,000人が死亡したと記録されている。

解析の結果、インフルエンザに罹患していない女性に比べて、重症化したインフルエンザが原因で集中治療室(ICU)に入院した妊婦では、妊娠37週未満の早産や低出生体重児、低アプガースコア(新生児の健康状態を評価する指標)のリスクがそれぞれ高いことが分かった(調整後の相対リスクはそれぞれ3.9、4.6、8.7)。また、インフルエンザに罹っても入院に至らなかった女性や、ICU以外の一般病棟に入院した女性では、これらの合併症リスクの有意な増大はみられないことも明らかになった。

研究には参加していない非営利団体「March of Dimes」のRahul Gupta氏は、「出産可能な年齢の女性では、特に妊娠初期の女性におけるワクチン接種率は受け入れがたいほど低い」と指摘する。ワクチンはインフルエンザを100%防ぐものではないが、接種していれば罹っても軽症で済むと同氏は説明し、「妊娠初期のワクチン接種は、妊婦が自分の体を守るためにできる最も重要なことの一つだ」と述べている。

米国では近年、反ワクチン運動が活発化し、妊娠中のインフルエンザワクチン接種は有害とする誤った考え方が広まっている。しかし、妊娠初期にインフルエンザに罹ると、脳や脊椎、心臓に先天異常を抱えた子どもが生まれるリスクが2倍になるとも報告されている。そのため、Gupta氏は、「ビタミン類の摂取や健康に良い食習慣、運動、禁酒や禁煙に加えて、ワクチン接種は胎児の健康を守るためにできる手段として重要だ」と述べ、ワクチン接種に迷う場合は専門家に相談するようにと助言している。(HealthDay News 2019年1月11日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/mom-to-be-s-flu-can-harm-her-unborn-baby-741395.html

Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です