新たな作用機序の2型糖尿病治療薬、第2相試験で有効性を確認

現在、開発中の経口糖尿病治療薬(TTP399)は、メトホルミンとの併用投与により、低血糖を来すことなく6カ月後の血糖コントロールを改善することが、メトホルミン治療中の2型糖尿病患者を対象とした第2相試験で示された。詳細は「Science Translational Medicine」1月16日オンライン版に発表された。

TTP399は、米ノースカロライナ州に拠点を置くvTv Therapeutics社が開発を進める肝臓選択的グルコキナーゼ活性化薬。同社で研究に携わるCarmen Valcarce氏は、TTP399が既存の2型糖尿病治療薬に並ぶにはさらなる研究が必要だが、「血糖コントロールに関しては、既存薬と同等またはより優れた効果が示されている」と述べている。

2型糖尿病の治療薬は既に数多く存在するが、Valcarce氏は「既存薬が効かない患者や認容できない副作用を来す患者もいることから、さらなる選択肢が求められている」と指摘する。専門家の一人で、米ユタ大学のDebra Simmons氏も、糖尿病の原因は人によって異なることから、「既存の薬とは異なる作用機序を持つ薬剤の開発が必要だ」と述べている。

他にもグルコキナーゼを標的とした薬剤の開発が進められているが、低血糖やトリグリセライド(中性脂肪)値の上昇などの副作用の問題で阻まれている。Valcarce氏によると、これまでに開発されている化合物は、肝臓と膵臓の両方でグルコキナーゼに影響を与えることが問題の一つだった。グルコキナーゼは膵臓で活性化されると、血糖値の急激な低下を引き起こすことがあるという。さらに、Simmons氏は「グルコキナーゼが通常、それを調節するタンパク質との相互作用を阻害する化合物では、トリグリセライド値の上昇が促されるとみられる」と指摘している。

一方、TTP399はこれらの課題を克服するようにデザインされ、グルコキナーゼと呼ばれる酵素を活性化することで作用し、血糖の“センサー”として機能する。

Valcarce氏らの研究グループは、メトホルミン治療中の2型糖尿病患者190人を対象に、メトホルミンにTTP399(1日800mg)を併用する群とプラセボまたはDPP-4阻害薬のシタグリプチンを併用する群にランダムに割り付けて比較検討した。

その結果、メトホルミンとTTP399を併用した群では、プラセボまたはシタグリプチンを併用した群に比べて6カ月後のHbA1c値が大幅に低下したことが明らかになった。TTP399の併用による重篤な低血糖はみられず、トリグリセライド値の上昇も認められなかった。

ただし、Simmons氏は「新しい薬剤の有効性や安全性を確立するには、長期にわたる試験の実施が必要だ」と述べ、TTP399についても、今後の研究結果が待たれるとしている。また、研究グループは、今後も新たな治療選択肢の開発を進めていくが、「糖尿病の管理には、食生活や運動が重要なのには変わりはない」と強調している。(HealthDay News 2019年1月17日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/diabetes-drug-news-179/experimental-drug-could-be-new-option-for-type-2-diabetes-741685.html

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