SGLT-2阻害薬に心不全や腎不全の抑制効果

2型糖尿病患者がSGLT-2阻害薬のダパグリフロジンを服用すると、プラセボに比べて心不全による入院リスクや腎不全の発症リスクが低減することが、ランダム化比較試験の結果から明らかになった。研究の詳細は米国心臓協会年次集会(AHA 2018、11月10~12日、米シカゴ)で発表され、論文は「New England Journal of Medicine」11月10日オンライン版に掲載された。

米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のStephen Wiviott氏らが実施した今回の研究は、40歳以上の心疾患リスクが高い2型糖尿病患者1万7,160人を対象としたもの。対象患者のうち約40%(約7,000人)は心疾患を有する患者で、約60%(約1万人)は複数の心疾患リスク因子を有していた。対象患者をダパグリフロジン10mg/日投与群とプラセボ投与群にランダムに割り付け、中央値で4.2年間追跡した。

その結果、ダパグリフロジン投与群とプラセボ群では心筋梗塞と脳卒中、心血管死の発症率に有意な差はみられなかった。一方、ダパグリフロジン投与群では、プラセボ群に比べて心不全による入院リスクが27%低く、腎不全や腎不全による死亡のリスクも低いことが分かった。

Wiviott氏によれば、最近の2件の研究でSGLT-2阻害薬は糖尿病患者の心臓と腎臓の転帰を大きく改善することが示されている。そのため、「SGLT-2阻害薬の安全かつ効果的な血糖降下作用だけでなく、心臓や腎臓の合併症リスクの低減効果について知ることは治療選択をする上で役立つ情報だ」と同氏は述べている。

専門家の一人で米ノースショア大学病院のCindy Grines氏は「糖尿病患者の死亡原因の70%以上は心血管疾患によるものだ」と指摘する。また、一部の糖尿病治療薬は心臓に悪影響をもたらすことが報告されているが、今回の結果では新しく登場したSGLT-2阻害薬は心血管に良好な影響を及ぼすことが示された。同氏は今回の結果について、「ダパグリフロジンは尿中への糖の排出を促す働きがあり、心不全リスクの低減につながるとする今回の結果は驚きではなかった」と述べ、心筋梗塞や脳卒中などの発症率が低下しなかったのは意外だったとしている。

また、Grines氏は「これまでの研究でスルホニル尿素(SU)薬は心血管死や心筋梗塞、うっ血性心不全の発症リスクを高めることが示されている」と述べ、心疾患患者はSU薬を避けるべきであり、うっ血性の心不全患者にはメトホルミンにダパグリフロジンを併用する選択肢が適しているのではとの見方を示している。なお、今回の研究はダパグリフロジンの製造元であるアストラゼネカ社の資金援助を受けて実施された。(HealthDay News 2018年11月10日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/diabetes-drug-might-also-ease-heart-failure-risks-739512.html

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