米国人の1割が「性衝動を抑えられない」経験

米国では国民の約9%に強い性的な衝動や衝迫を抑えられない経験があることが、米ミネソタ大学のJanna Dickenson氏らの研究で明らかになった。こうした強迫的性行動症(CSBD)を示す割合は男性で10.3%、女性では7.0%であり、性差はみられないことも分かったという。研究の詳細は「JAMA Network Open」11月9日オンライン版に発表された。

Dickenson氏によると、CSBDの内容は仕事に支障をきたすほど過剰に自慰行為にふけったり、経済的に困窮するまで買春行為を繰り返すなど人によってさまざまだという。なお、性行動が問題となるのは、日常生活に支障をきたすレベルになった場合だとしている。

一方、精神医学の専門家の間では、これまで長きにわたり性依存症は本当に依存症なのか、あるいは衝動制御障害なのかをめぐって議論が重ねられてきた。しかし、いずれにおいても苦痛や機能障害をもたらすレベルにまで性的な衝動や行動が抑えられなくなるという共通した問題がみられる。

Dickenson氏らは今回、2016年に、性的健康や性行動に関する研究に参加した全米の18~50歳の男女2,325人(平均年齢34.0歳、約半数が女性)を対象に、CSBDのスクリーニング検査を実施した。その結果、8.6%がCSBDの診断基準を満たす可能性が高いと判定され、1~6%という当初の予測を大きく上回っていた。

Dickenson氏は「歴史的にもCSBDは主に男性側の問題だと考えられていたが、女性にも性的な衝動のコントロールに苦しんでいる人がいることが分かった」と説明している。ただし、この結果について同氏は「スクリーニングツールに基づく判定は、陽性であってもより詳細な検査を受ける必要がある。そのため、結果の解釈には慎重な判断が必要だ」と断っている。

では、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏の犯罪ともいえる常軌を逸した行動は許されるべきなのか? Dickenson氏は「抱えている問題が医学的に分類されるようなものであったとしても、その行為は許されるものではない」と述べている。一方、専門家の一人で米グレイシー・スクエア病院のMichael Klein氏は「個々のケースについてコメントするのは難しい」とした上で、「世間で注目されたこれらのケースはCSBDの例を示してはいるが、権力の利用など他の要因も背景にある可能性がある」と指摘している。

Dickenson氏らの研究について、Klein氏は「このような大規模な研究は、衝動的性行動やそれに関連する現象について理解を深める一助となるはずだ。また、今後の研究の方向性を明らかにするにも役立つ」と評価している。

さらに、Klein氏は「われわれは、性の在り方は多様であることを認識しておく必要がある。性に関する考えや感情も人によってさまざまだが、行動をコントロールできないというのは別の問題だ」と強調する。また、「日常生活に支障をきたし、自分や周囲の人にとって悩みの種となるような行動がやめられない場合には専門家に相談してほしい」と助言している。(HealthDay News 2018年11月9日)

https://consumer.healthday.com/sexual-health-information-32/sex-disorder-news-606/nearly-1-in-10-americans-struggles-to-control-sexual-urges-739541.html

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